2017年5月
先天性中枢性甲状腺機能低下症の診療状況の全国調査
日本マス・スクリーニング学会誌
- 巻
- 27
- 号
- 1
- 開始ページ
- 9
- 終了ページ
- 15
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本マススクリーニング学会
先天性中枢性甲状腺機能低下症(以下CCH)の診療現状を明らかにすることを目的に全国的な調査を行った。【対象と方法】日本小児内分泌学会評議員に対して、CCH症例の調査をE-mailで依頼し、詳細な臨床情報を収集した。【結果】一次調査の回答率は47%であった。過去10年間のCCH例は155名で、原発性CHのおよそ8%に相当した。二次調査で78名(男性55名、女性23名)の詳細な臨床情報がえられた。78名中TSH単独欠損例は19名(男15名、女4名)で、7名がFT4スクリーニングで発見された。他の下垂体前葉機能低下を伴う例は59名で、7名はFT4スクリーニングで、約1/2は乳児期以降に発見されていた。【結語】CCHの発症頻度は1/50,000人以上で、男児に多くTSH単独欠損症は1/4を占めた。TSH単独欠損症は、FT4スクリーニングを行っていない地域では、見逃されている可能性がある。下垂体機能低下症の半数は、FT4スクリーニングにより早期発見が期待される。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0917-3803
- 医中誌Web ID : 2017267545