MISC

2016年8月

乳児超音波検診で亜脱臼・寛骨臼形成不全と診断された股関節の自然経過

Hip Joint
  • 村上玲子
  • ,
  • 宮坂大
  • ,
  • 遠藤直人
  • ,
  • 高橋牧
  • ,
  • 畠山征也

42
1
開始ページ
12‐17
終了ページ
17
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本股関節学会

2002年〜2003年度に乳児股関節検診の2次検診を受診した395例中24例が亜脱臼、260例が寛骨臼形成不全と確定診断された。今回、これらのうち10年以上経過観察を継続できた20例(男児1例、女児19例)を対象に治療成績について検討した。その結果、1)両側4例を含む20例24関節中、18例21関節が初期治療にリーメンビューゲル装置を3ヵ月間装着したが、最終経過観察時まで補正手術例はなかった。2)初診時のAcetabular index(AI)は閉鎖孔が左右対称の12例15関節のみで計測した。患側は健側よりAIは有意に大きかったが、5〜6歳時では患側と健側に有意差はみられず、AIは改善していた。また、5〜6歳時のOE角、最終観察時CE角は患側と健側に有意差はなかった。3)寛骨臼形成不全のcut off値をSharp角50°以上では初診時に患側と診断されたうちの45.8%(11関節)、健側の18.7%(3関節)が含まれていた。4)経過中に疼痛の自覚は5例9関節であったが、これは本対象の25%で、乳児期股関節2次検診で亜脱臼や形成不全と確定診断された284例の1.8%であった。また、初診時に患側と診断されたうちの29%(7関節)、および健側と診断されたうちの12.5%(2関節)であった。開排制限が1例で認められたが、骨盤位の既往はなかった。5)最終診断時に疼痛を自覚した5例は10.8±0.5歳、無症状例は12.0±0.8歳と前者が有意に若かった。6)疼痛の誘因は股関節に大きな負荷がかかった時のみであったが、日常生活では無症状であった。

リンク情報
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201602236497730138
URL
http://jglobal.jst.go.jp/public/201602236497730138
ID情報
  • ISSN : 0389-3634
  • 医中誌Web ID : 2017076421
  • J-Global ID : 201602236497730138

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