鉄リン酸ガラスを用いたNa高含有低レベル放射性廃液の固定化に関する研究
日本原子力学会関東・甲越支部第4回学生研究発表会
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- 開催年月日
- 2011年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 東京
- 国・地域
- 日本
再処理施設から発生する低放射性廃液には、高濃度の硝酸ナトリウムを含む廃液がある。硝酸ナトリウムは、環境規制物質である硝酸性窒素に該当するため、硝酸イオンを分解する技術開発が実施されている。本件では、硝酸根を熱分解でき、かつ廃液を固化できる方法として鉄リン酸ガラス固化法に着目し、鉄リン酸ガラス固化体の作製条件及び浸出挙動等の基礎的な研究を行った。実験方法として、まず固化条件の検討を行うために、酸化鉄,リン酸二水素アンモニウム,硝酸ナトリウムを各比率で混合し、さらにマッフル炉で溶融することにより固体サンプルを得た。得られた試料を直方体形状に成形し浸漬試験に供した。浸漬液は蒸留水、雰囲気温度は常温、浸漬日数は28日間で行った。固化試験結果から、ナトリウムの最大充填率はモル比でFe:P:Na=1.0:1.5:1.0であることが確認された。また浸漬試験の結果から、骨格を形成する鉄,リンさらに廃棄物であるナトリウムの浸出は遅く、固化体内部からの各元素の拡散は、極めて遅いことが示唆された。