講演・口頭発表等

海水を含む放射性廃液のホウ酸ガラスによる固型化の基礎研究

日本原子力学会2013年秋の大会
  • 松島 怜達*
  • ,
  • 新井 剛*
  • ,
  • 齋藤 照仁*
  • ,
  • 堀口 賢一
  • ,
  • 菅谷 篤志

開催年月日
2013年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
八戸
国・地域
日本

現在、福島第一原子力発電所では、海水由来の塩化ナトリウム及び再臨界防止のために添加されたホウ酸を含む放射性廃液が大量に滞留している。この廃液を廃棄体化処理し埋設処分する場合、廃棄体からナトリウムやホウ酸が溶出し処分環境への影響が懸念される。そのため、これら化学物質を固定化できる固化マトリックスの開発が求められる。本研究では、浸出特性に優れるアモルファス構造を有し、かつ廃液に含まれるホウ酸を固型化材に活用できるホウ酸ガラス固化法に着目した。今回は、ホウ酸ガラスの浸出特性を改善する目的で金属元素を添加した試料を製作し、浸漬試験を実施した。金属元素として亜鉛(Zn)を添加することで、ナトリウムの保持特性が改善することを確認した。さらに、廃液中に含まれると考えられる夾雑物元素(10元素)を添加したところ、全容出期間を30倍以上に延伸できることを確認したが、本試験で評価した最長のNa全容出期間は約30年間であることを考慮すると、現段階では、ホウ酸ガラスを当該廃液の固型化技術に適用させるのは困難であると言える。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5041807