薬剤師は病棟で活動する医療従事者として点滴薬やカテーテル管理に関する知識が必要であるが、現在の薬学教育において医療デバイスに関する講義は少なく、薬剤師は知識が不足している可能性がある。そこで、2017年に中枢挿入式中心静脈カテーテル(CICC)・完全皮下埋込み式中心静脈カテーテル(CVPort)・末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC)に関する知識と経験について、薬剤師を含む医療職種に対し調査を行った。結果、CVCに対する薬剤師の認識度は医師・看護師よりも低いが、他の医療職種よりも高い傾向が示された。最も多く使用されるCICCについて薬剤師は、聞いたことがあり(100%)、用途も知っているが(88%)、実物を見ていない者が多かった(56%)。CVCに関する知識と経験では医療職種間で差が見られ、経験年数の浅い者では知識が不十分であることが示された。就職後の勉強会等を通じて、特に薬剤師はCVCに触れる機会を積極的に増やして学ぶことが望ましいと考えられた。(著者抄録)