基本情報

所属
東邦大学 医学部医学科 助教
学位
学士(2005年3月 横浜市立大学)
修士(2007年3月 東京大学)
博士(2010年3月 東京大学)

研究者番号
50598365
J-GLOBAL ID
201401048443063340
researchmap会員ID
B000241835

外部リンク



現在の研究テーマ
インターロイキン(IL)-11産生細胞を介した生体制御機構の解明

生体の恒常性は、常に上皮細胞により外部の世界と隔てられることで維持されます。上皮細胞にダメージが誘導されると、ダメージを受けた周辺の細胞からサイトカインが分泌され、これにより上皮細胞の修復機構や周りに存在する免疫細胞などによる防御機構が適切に働きます。この恒常性機構の破綻は慢性炎症やがんの発生なと関連があることが示唆されています。よって、生体の恒常性を制御する分子機構を理解することは、新たな治療法を開発する上で重要であると考えられます。

 私達はこれまで生体機能を障害する有害なものとして考えられてきた酸化ストレス依存性に産生誘導される分子の一つとしてIL-11と呼ばれるサイトカインを同定し、肝障害マウスモデルを用いた解析から、酸化ストレスに伴って産生されたIL-11が肝細胞増殖を促進する組織修復因子であることを見出しました(Nishina et al, Sci. Signal., 2012)。 さらに我々は、酸化ストレスと密接な関わりを持つ、親電性分子もIL-11の産生を誘導するものがあり、親電性分子の生体毒性に対してIL-11が抵抗性を与える分子であることを明らかにしました(Nishina et al, J. Biol. Chem., 2017)。興味深いことに、IL-11シグナルが欠損したマウスは雌が不妊となること以外に際立った表現型は示しません(Deguchi, Nishina et al, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2018)。しかし、様々な疾患においてIL-11の産生が亢進しており、IL-11がその病態の増悪に寄与することが報告されています。すなわちIL-11は、厳密にその働きが制御されており、IL-11を介した生体制御機構を明らかにすることは、生体の恒常性維持機構や疾患を理解する上で重要であると考えられます。

 私たちはIL-11産生をin vivoでモニタリングできるレポーターマウスを新たに樹立し解析を行った結果、通常の組織においては、マウス大腸組織においてIL-11産生細胞は認められませんが、大腸がん形成時、ならびに大腸炎時においては、主に線維芽細胞がIL-11を産生し、がん悪性化に関与していることを見出しております(Nishina et al, Nat. Commun., 2021)さらに、潰瘍性大腸炎モデルをもちいた解析から、IL-11が大腸炎の軽減に働く分子であることを発見しております(Nishina et al, iScience, 2023)。

現在、私たちはIL-11ならびに、その産生細胞を介した生体制御機構を、生化学、分子生物学、遺伝学的手法や、イメージング解析技術、また自分たちで新たな技術を開発するだけでなく最新の技術など多角的な技術を駆使することで明らかにし、難治疾患の新たな治療標的の創出をつなげていきたいと研究を進めています。

 

学歴 
2005.3                横浜市立大学理学部機能科学科 卒業 (佐藤友美研究室)
2007.3                東京大学大学院新領域創成科学科 メディカルゲノム専攻 修士課程修了 (指導教官 井上純一郎教授)
2010.3                東京大学大学院新領域創成科学科 メディカルゲノム専攻 博士課程修了 (指導教官 井上純一郎教授)
 
学位
2010.3                東京大学大学院 新領域創成科学研究科 博士(生命科学)
         (学位論文) 膵癌細胞における転写因子NF-κBの恒常的活性化の分子機構とそのがん悪性化での役割 
 
職歴  
2010.4 - 2013.3  順天堂大学医学部アトピー疾患センター 博士研究員
2013.4 - 2015.2  日本学術振興会特別研究員 (PD) 順天堂大学医学部免疫学講座
2014.5 -              順天堂大学医学部免疫学講座 協力研究員 併任
2015.3 -              東邦大学 医学部 医学科生化学講座病態生化学分野 助教
(現在に至る)

主要な論文

  16

主要なMISC

  38

書籍等出版物

  9

講演・口頭発表等

  46

共同研究・競争的資金等の研究課題

  26

メディア報道

  5