論文

2010年9月

女性腹圧性尿失禁に対する補中益気湯の有用性に関する検討

日本東洋医学雑誌
  • 井上 雅
  • ,
  • 横山 光彦
  • ,
  • 石井 亜矢乃
  • ,
  • 渡辺 豊彦
  • ,
  • 大和 豊子
  • ,
  • 公文 裕巳

61
6
開始ページ
853
終了ページ
855
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本東洋医学会

女性腹圧性尿失禁患者に対して補中益気湯を4週間投与し、その臨床的有用性を検討した。女性腹圧性尿失禁患者13名に対し、食前に1日3回補中益気湯7.5gを4週間投与した。治療前、治療1ヵ月後に、VAS(visual analog scale)、IQOL(Incontinence-QOL)による自覚症状の変化を観察し、また排尿日誌を用いて排尿回数、尿失禁回数の変化、パッドテストによる失禁量の変化、尿流測定による他覚的な排尿状態の変化の確認を行った。また投与終了時の患者の満足度も検討した。結果は有意差は認めなかったが、VAS、IQOLスコア、いずれも改善傾向であった。パッドテスト、失禁回数は減少傾向であった。排尿回数、最大尿流量は変化なく、患者満足度は高かった。BMI別で検討すると非肥満型では有意にVAS、IQOLの改善を認めた。補中益気湯は排尿状態に影響を及ぼさず、尿失禁の程度、証などを考慮すれば有効であることが示唆された。副作用として重篤なものは認めなかった。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0287-4857
  • 医中誌Web ID : 2011018276

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