論文

2010年5月

耐性菌、難治性感染症とバイオフィルム メタロ-β-ラクタマーゼ産生緑膿菌のバイオフィルム形成能およびblaIMP-1遺伝子の伝達性に関する検討

BACTERIAL ADHERENCE & BIOFILM
  • 山本 満寿美
  • ,
  • 狩山 玲子
  • ,
  • 光畑 律子
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  • 石井 亜矢乃
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  • 上原 慎也
  • ,
  • 渡辺 豊彦
  • ,
  • 公文 裕巳

23
開始ページ
71
終了ページ
75
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本バイオフィルム学会

プラスミド性の薬剤耐性遺伝子を保有するメタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生緑膿菌は、ほぼ全ての抗菌薬に高度耐性を示す傾向が強く、院内感染対策上、特に留意する必要がある。そこでMBL産生緑膿菌に着目し、バイオフィルム形成能およびblaIMP-1遺伝子の伝達性に関する検討を行った。A県3施設で分離されたIMP-1型MBL産生緑膿菌123株を対象とした。バイオフィルムアッセイにはマイクロプレートを用い、トリプトソイブイヨン培地中のバイオフィルム形成能を定量化した。フィルター法による接合伝達実験では、受容菌としてPseudomonas aeruginosa ML5017株、イミペネムとリファンピシン添加の選択培地を用いた。バイオフィルム高度形成群OD570≧1;29株(23.6%)、中等度1>OD570≧0.5;47株(38.2%)、低度0.5>OD570≧0;47株(38.2%)であった。高度・中等度形成群76株のうち、尿由来株は57株(75.0%)であった。35株の接合伝達実験を行った結果、33株でイミペネム耐性が伝達し、そのうち9株は伝達頻度が比較的高かった(10^-4〜10^-6)。PCR法およびパルスフィールドゲル電気泳動法により、24株中18株のblaIMP-1遺伝子の伝達性が確定できた。バイオフィルム形成能が高い緑膿菌は、環境中に長期に生息し、薬剤耐性遺伝子を獲得している可能性がある。MBL産生緑膿菌の伝播・拡散防止のためには、バイオフィルムを形成させないための医療・療養環境の管理が重要である。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1348-6071
  • 医中誌Web ID : 2010268141

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