論文

2008年12月

メタロ-β-ラクタマーゼ産生緑膿菌のバイオフィルム形成能と耐性遺伝子伝達性の検討

緑膿菌感染症研究会講演記録
  • 山本 満寿美
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  • 狩山 玲子
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  • 光畑 律子
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  • 石井 亜矢乃
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  • 上原 慎也
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  • 渡辺 豊彦
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  • 門田 晃一
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  • 公文 裕巳
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  • 草野 展周

42回
開始ページ
95
終了ページ
99
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
緑膿菌感染症研究会

岡山県下3施設にて2001〜2006年の6年間に分離されたメタロβラクタマーゼ(MBL)産生緑膿菌のバイオフィルム産生能を定量化し、耐性遺伝子の伝達性に関する検討及び分子疫学的検討を行った。その結果、材料別内訳はIMP-1型遺伝子保有株(131株)では尿:84株(64.1%)・喀痰:10株・便:10株・膿:7株・血液:2株・その他:18株で、VIM-2型遺伝子保有株(12株)では血液:4株・喀痰:2株・尿1株・膿:1株・その他4株であった。MBL産生緑膿菌143株のバイオフィルム形成能をOD570値から分類すると高度形成群(OD570≧1):34株(23.8%)、中等度形成群(1>OD570≧0.5):49株(34.2%)、低形成群(0.5>OD570≧0):60株(42.0%)であった。VIM-2型遺伝子保有株は12株全てが低形成群であり、バイオフィルム形成能の平均OD750値は0.69±0.04であった。143株中83株(58.0%)がバイオフィルム高度・中等度形成群に属する菌株で、83株中61株(73.5%)は尿由来であり、他の材料株に比して高いバイオフィルム形成能示す株が多く認められた。接合伝達性を検討したIMP-1型遺伝子保有15株(バイオフィルム形成能高度・中等度・低度各5株)中、高度形成群の2株・中等度形成群の1株・低度形成群の2株の計5株にイミペネム耐性の伝達を認め、伝達頻度は10^-3〜10^-5であった。

ID情報
  • ISSN : 1340-6477
  • 医中誌Web ID : 2009099117

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