論文

査読有り
2021年10月

福島第一原子力発電所事故の$^{137}$Csの大規模大気拡散に対する、局所大気拡散シミュレーションによって推定された$^{137}$Csのソースタームの妥当性

Journal of Environmental Radioactivity
  • 門脇 正尚
  • ,
  • 古野 朗子
  • ,
  • 永井 晴康
  • ,
  • 川村 英之
  • ,
  • 寺田 宏明
  • ,
  • 都築 克紀
  • ,
  • El-Asaad H.

237
開始ページ
106704\_1
終了ページ
106704\_18
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1016/j.jenvrad.2021.106704

本研究では、局所規模の大気拡散シミュレーションと観測から推定した福島第一原子力発電所(1F)事故の$^{137}$Csのソースタームの、大規模の大気拡散に対する妥当性を確認することを目的として、大気拡散データベースシステムWSPEEDI-DBを用いた半球スケールの大気拡散シミュレーションと海洋拡散モデルSEA-GEARN-FDMを用いた海洋拡散シミュレーションを実施した。大気拡散シミュレーションの結果は、観測値の$^{137}$Csの大気中濃度を一部過大評価したものの、全体として観測値を良好に再現した。また、海洋拡散シミュレーション結果は、北太平洋で観測された$^{137}$Csの海水中濃度を過小評価した。本研究では、大気拡散シミュレーションから得られた$^{137}$Cs沈着量を海洋拡散シミュレーションで用いており、$^{137}$Csの海水中濃度の過小評価は海洋へ沈着した$^{137}$Csが少なかったことが原因だと示された。大気拡散シミュレーションに用いた降水の再現性を向上させることで、$^{137}$Csの大気中濃度の過大評価と海水中濃度の過小評価をそれぞれ改善することができると考えられ、本研究で検証されたソースタームは、1F事故による$^{137}$Csの局所規模の大気拡散シミュレーションと大規模の大気拡散シミュレーションの両方で有効であることが示された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1016/j.jenvrad.2021.106704
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5071147
ID情報
  • DOI : 10.1016/j.jenvrad.2021.106704
  • ISSN : 0265-931X

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