2018年4月
糖脂質認識を介したC型レクチン受容体Mincleによる異物識別機構
生化学
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- 巻
- 90
- 号
- 2
- 開始ページ
- 158
- 終了ページ
- 168
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)日本生化学会
自然免疫応答惹起を担うパターン認識受容体の一つとしてC型レクチン受容体が知られる。C型レクチンの一つであるmacrophage-inducible C-type lectin(Mincle)は、結核菌糖脂質TDMを認識し、強力な免疫活性化能を発揮する受容体である。また構造解析から、糖脂質との結合に適したタンパク質であることが示されている。我々はこのMincleが、スフィンゴ糖脂質の一種であるβ-グルコシルセラミド(β-GlcCer)を認識することを見いだした。β-GlcCerは通常、細胞内でセラミド代謝産物として機能するが、分解酵素の異常により蓄積するとゴーシェ病の原因となる。その病態進行には過剰な炎症応答の関連が示唆されているが、β-GlcCer蓄積と炎症を直接関連づけるメカニズムの詳細はわかっていなかった。本稿では、細胞内代謝産物β-GlcCerがMincleに認識されることで誘導される生体応答とその意義について議論したい。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0037-1017
- eISSN : 2189-0544
- 医中誌Web ID : 2018224320