共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

マイクロウェーブ急速凍結法による機能的シナプスのコネクトミクス解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K08525
体系的課題番号
JP17K08525
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

神経回路再編のメカニズムを形態学的、特に超微形態学的に解析することを目的に研究を行っている。解析を遂行するために視覚野神経可塑性を神経回路再編のモデルとして用い、神経可塑性の変化を単一ニューロン上に分布する全スパインを網羅的に解析している。単眼遮蔽に伴う視覚入力バランスの差異を受けた視覚野内ニューロンを可視化するために、c-Fosを用いたActivity Mapping法を併用し検討した。高感度での染色性の確保と超微形態学的解析との併用を可能にするため、マイクロウェーブに着目し、抗体の浸透と組織微細構造の保持の条件検討を行った。マイクロウェーブの照射時間と照射量を調節し、組織ダメージがなく、抗体の浸透性が確保できるところまで到達した。今後はさらに至適条件検討を引き続き行う予定である。また、これらの条件検討とともに、視覚野内ニューロン単一スパインから多数のスパインを伴った入力変化が短時間で引き起こされている結果を得た。そこで、電子顕微鏡を用いてシナプス結合の変化を解析した結果、Basal dendriteにおけるスパインに入力変化開始から経時的に形態変化が引き起こされていることを明らかにした。スパインの形態変化は、視覚入力が増強されたスパインでまず膨化と腫脹が起こった。その後、シナプスにおけるPSD部位の面積増加が引き起こされた。 スパイン数の増加はその後に引き起こされた。一方、入力が減少されたスパインでの形態変化は有意に認められなかったが、時間経過に伴ってスパイン数の減少が認められた。形態変化が引き起こされたスパインの割合と神経活動との相関を解析し、今後の研究の発展に寄与する結果を得た。 さらに、急速凍結置換法の予備実験を開始し、高感度で高解像度の像を観察可能な条件を検討し、今後の研究発展の糸口を掴んだ。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K08525
ID情報
  • 課題番号 : 17K08525
  • 体系的課題番号 : JP17K08525