2020年4月 - 2023年3月
新規核酸医薬を用いた実用的腹膜播種予防法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
胃癌腹膜播種症例の腹腔内で発現が低下しているmiR-29を対象として、腹腔内微小環境へのmiR-29の作用を明らかにするためin vitro実験を行った。miR-29を胃癌細胞株および腹膜中皮細胞に導入したところ、増殖能には影響しなかったが遊走能を低下させ、癌細胞の腹膜中皮細胞への接着能を低下させた。miR-29を発現するヒト間葉系幹細胞を樹立し、miR-29高発現エクソソームを回収して胃癌細胞株および腹膜中皮細胞に添加したところ、miR-29をリポフェクションで導入した時と同様に遊走能を低下させ、癌細胞の腹膜中皮細胞への接着能を低下させることが明らかになった。また、腹膜播種と関連のある他のmiRNAについても実験を行い、腹膜播種の成立過程における役割と分子機序を推定し、腹膜播種治療に利用できる可能性を探索している。
マウス骨髄から間葉系幹細胞を分離しウイルスベクターを用いてmiR-29を発現させ、miR-29b含有エクソソームを回収する手法を確立した。マウスの細胞を用いた実験においても、癌細胞および腹膜中皮細胞に対するmiR-29高発現エクソソームの効果は同様で、遊走能や癌細胞接着能の低下を来した。マウスに腹膜播種を来す胃癌細胞株YTN16を用いた同種移植モデルを用いた実験では、播種細胞数と観察期間を複数の条件で投与し、今後の実験に適した条件を導き出した。miR-29高発現エクソソームを用いて腹膜播種の予防実験に取り組み、エクソソームを利用して標的miRNAを腹腔に導入する方法の有用性を検討している。
マウス骨髄から間葉系幹細胞を分離しウイルスベクターを用いてmiR-29を発現させ、miR-29b含有エクソソームを回収する手法を確立した。マウスの細胞を用いた実験においても、癌細胞および腹膜中皮細胞に対するmiR-29高発現エクソソームの効果は同様で、遊走能や癌細胞接着能の低下を来した。マウスに腹膜播種を来す胃癌細胞株YTN16を用いた同種移植モデルを用いた実験では、播種細胞数と観察期間を複数の条件で投与し、今後の実験に適した条件を導き出した。miR-29高発現エクソソームを用いて腹膜播種の予防実験に取り組み、エクソソームを利用して標的miRNAを腹腔に導入する方法の有用性を検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K07704
- 体系的課題番号 : JP20K07704