共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

農耕地土壌に含まれるマイクロプラスチックの分離・定量法の確立と汚染実態の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21348
体系的課題番号
JP20K21348
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

海洋では1970年代からプラスチックごみが沿岸部や海に流出し,生態系破壊や健康被害,沿岸部の経済社会の毀損などの原因として大きな問題となっている。特に最近,マイクロプラスチック(MPs)と呼ばれる直径5 mm以下のプラスチック小片による海洋生態系への影響が懸念され,早急に取り組むべき問題として世界的にも認知されている。
農業も肥料・農薬などの包装容器や農業用ビニル,マルチなど,プラスチック資材を多用する産業であり,海洋のMPsの排出源の一つに数えられている。加えて最近は,緩効性肥料の被覆樹脂が海浜で多く見つかっており,大きな関心が寄せられている。緩効性肥料とは,表面をプラスチック樹脂膜などで被覆し,土壌中での肥料成分の溶出を調整した肥料である。作物要求性に応じた窒素成分の溶出が可能となり,追肥不要で省力化が図れることから,重要な農業資材となっている。
農業から環境に排出されるプラスチックの特徴として,農業が盛んな特定の地域に排出が集中するという点が挙げられる。農地に混入したプラスチックは光分解や熱酸化分解などの物理作用や微生物作用による緩慢な劣化によって微細化し,MPsとなる。しかし,農地におけるMPsの集積や動態については,そもそも土壌中MPsの定量的な分析方法が確立されていないことから,あまり研究が進んでいない。
こうした背景のもと,本研究では,1) 土壌中のMPsを同定かつ定量する方法の確立と標準化,2) 実圃場でのMPs汚染の実態解明,の二つを目的とする。
2年目は,初年度に確立したキャノーラ油と塩化ナトリウム水溶液を用いた土壌からのMPsの抽出法が,水田土壌からの緩効性肥料の被覆樹脂の分離に適用できないか検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21348
ID情報
  • 課題番号 : 20K21348
  • 体系的課題番号 : JP20K21348