2020年4月 - 2023年3月
抗線維化作用増強exosomeを用いた継続型低侵襲肝臓再生療法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
我々は肝移植に代わる肝硬変治療法として「自己骨髄間葉系幹細胞 (MSC)を用いた肝臓再生療法」を開発してきた。臨床研究で有効性が示唆されたが、効果が短期間であることが課題であった。そこで本研究では、MSC由来exosomeに、miR-5682の肝星細胞に対する線維産生抑制効果を付加した抗線維化作用増強exosomeを作製する。miR-5682は肝星細胞が産生する主な線維(Collagen I, III, V, Elastin)の発現を網羅的に抑制するmicroRNAである。これにより低侵襲かつ頻回投与が可能な抗線維化治療法を開発し、「長期継続型のMSCを用いた低侵襲肝臓再生療法」のProof of concept 取得を目指す。
令和3年度は、レンチウイルスベクターを用いてmiR-5682導入MSC細胞株に加え、miR-5682導入単球細胞株を作製した。PEGを用いたexosome回収法を確立し、これらmiR-5682導入細胞株由来exosomeでは、非導入細胞株と比べてexosome中にmiR-5682が高発現することを確認した。miR-5682導入細胞株由来exosomeの肝星細胞に対する作用の検討では、exosome添加による肝星細胞のCollagen I, III発現低下を確認した。また、Gubra-Amylin NASH (GAN)食を用いてNASH肝線維化モデルマウスを作製し、miR-5682導入細胞株由来exosomeの抗線維化効果の評価を開始した。
令和3年度は、レンチウイルスベクターを用いてmiR-5682導入MSC細胞株に加え、miR-5682導入単球細胞株を作製した。PEGを用いたexosome回収法を確立し、これらmiR-5682導入細胞株由来exosomeでは、非導入細胞株と比べてexosome中にmiR-5682が高発現することを確認した。miR-5682導入細胞株由来exosomeの肝星細胞に対する作用の検討では、exosome添加による肝星細胞のCollagen I, III発現低下を確認した。また、Gubra-Amylin NASH (GAN)食を用いてNASH肝線維化モデルマウスを作製し、miR-5682導入細胞株由来exosomeの抗線維化効果の評価を開始した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K08386
- 体系的課題番号 : JP20K08386