2023年6月
核燃料再処理施設におけるグローブボックス用グローブの物性調査; 定期交換したグローブの物性と使用可能年数の推測
JAEA-Technology 2023-004
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- 開始ページ
- 30
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
- DOI
- 10.11484/jaea-technology-2023-004
日本原子力研究開発機構の東海再処理施設において核燃料物質の取り扱いに使用するグローブボックス用グローブ(以下、「グローブ」という。)は、内部規則にて使用期限が定められており、グローブボックスに取り付け後、異常の有無に係わらず最長4年で交換している。一方、グローブの材質は合成ゴムであることから、使用環境(使用頻度、薬品、放射線量等)によってその劣化度合は異なる。そこで、本件では使用環境毎にグローブを分類し、その物性値を測定すること等により、グローブの劣化状況に応じた使用可能年数の技術的評価手法を確立するとともに、グローブの使用可能な年数を推測した。外観上の異常もなく定期交換したグローブについて、測定した物性値は、新品のグローブの納品時に確認している受入基準値を満足し、新品のグローブと同等の物理的特性を有していることが分かった。このため、使用期限を迎えたこれらグローブは、新品のグローブの最長使用年数である4年を追加した合計8年間の使用が可能であると考えられた。また、グローブの物性値と使用年数をプロットして外挿線を作成した結果、使用年数8年における物性値は、過去にグローブの破損等が報告されている物性値よりも安全側の値を示し、非管理区域の倉庫にて8年及び23年間保管した長期保管グローブの物性値と有意な差は見られなかった。これらより、東海再処理施設におけるグローブの最長使用年数は8年と設定した。なお、グローブの点検頻度、項目は従来の実施内容から変更せず、異常が確認されれば使用年数に関係なく速やかに交換される管理であることから、使用年数を8年に延長した場合でもグローブ使用に伴う安全性の低下(リスクの上昇)は生じない。また、使用年数の延長に伴い、グローブの購入費、グローブ交換等の作業労力、廃棄物発生量を従来よりもそれぞれ約4割低減させることができ、定期のグローブ交換に伴う汚染発生のリスク、作業者の被ばくのリスクも低減され、グローブ管理の効率化・合理化が図られた。
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- DOI : 10.11484/jaea-technology-2023-004