既にWiMAX用小形アンテナとして,導体板(Ground plane:GP)上に動作するU字型折返しダイポールアンテナ(U-shaped folded dipole antenna:UFDA)に着目し,WiMAXの使用周波数帯域である2.3〜2.7GHz及び3.4〜3.8GHzをVSWR≤3において完全にカバーできるように,粒子群最適化(Particle swarm optimization:PSO)手法を用いてUFDA素子の寸法形状を最適化した.本報告では,更なる省スペース化と広帯域特性を同時に考慮するために,垂直U字型折返しダイポールアンテナ(Vertical U-shaped folded dipole antenna:VUFDA)を提案し,PSOによる寸法形状最適化を検討する.PSOに適切な目的関数定式化を導入しVUFDAを最適化することで,WiMAX帯域を完全に確保できると共に,従来の最適化されたUFDAのGP上における物理的アンテナ面積の約23%まで低減できることを示す.また,省スペース化の効果を評価するために,電気的障害物となる導体ブロックをアンテナ近傍に配置される際,VUFDAの安定に動作できるためのGP上の必要最小設計面積を検討し,それを従来の最適化されたUFDAとの比較を行ない,UFDAよりVUFDAのほうが省スペース化と広帯域化に有効であることを明らかにする.