共同研究・競争的資金等の研究課題

2012年4月 - 2016年3月

空間図形と数式の関連付けが線形代数の理解度を深めるしくみの研究

日本学術振興会  科学研究費補助金(基盤研究(C))  

担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
5,330,000円
(直接経費)
4,100,000円
(間接経費)
1,230,000円
資金種別
競争的資金

1 学習システムを利用した学習活動の観察 H26年度も引き続き、2年生対象の「電気数学A」で、ベクトル方程式を導入する授業において、演示実験としてインタラクティブな空間ベクトル学習コンテンツを用いると共に、同科目の低進度学生を対象に課外におこなう進度別演習の一部として、同学習コンテンツを埋め込んだWeb学習システムを用いた学習を行わせた。この中で、学習コンテンツを用いた学生が、コンテンツ使用後の紙上演習で正答率を向上させる等の、直接的な成果を観測することはできなかった。すなわち、学習コンテンツの使用が、単独で空間ベクトルに関する理解を深めることはなく、学習コンテンツの使用有無にかかわらず、空間ベクトルの理解には、一定量の紙上演習が不可欠との認識を得た。しかしながら、インタラクティブな学習コンテンツの使用は、高い学習動機付け効果を期待できる。前述の進度別課外演習では、当該学生が解答の過程を十分に説明できている答案を作成できるまで、何度も同一の課題に挑戦させているが、コンテンツを用いた学習を経験した学生は、前年度までの学生より粘り強く演習に取り組み、途中で諦めて学習を放棄した学生が減少している。
2 学習者の主観的自己評価の調査 低進度学生に対する聞き取り調査では、インタラクティブな学習コンテンツを使用した導入教育により、図形と数式を関連付けて考えることができることを知った、暗記型解法(教科書記載の公式を丸暗記し、図形的な特長との関連も考慮せず、盲目的に数式変形する)を取らなくても、解答できそう、との発言を得ている。
3 学習活動と自己評価の分析 インタラクティブな学習コンテンツの導入により、演習、課外演習の空白答案が減少し、たとえ最終解答に至らない答案であっても、図や、文章を用いた説明が増えている。また、前述したように、進度別課外演習の放棄学生も減少している。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24501077/