2018年4月 - 2020年3月
森林生態系における微生物間相互作用が土壌有機物の分解速度に及ぼす影響の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
近年、二酸化炭素濃度の上昇に伴う気候変動の懸念により、炭素プールとして森林土壌が重要であることが指摘されている。その中で、土壌微生物群集間の相互作用による有機物分解の抑制が、炭素循環の主要な調整機構として注目を集めている。研究代表者は、ある生物の遺伝子の機能が、群集や生態系にまで影響するという「遺伝子から生態系まで」の考え方(Genes-to-ecosystem concept)に基づき、野外と室内の実験により、森林生態系の外生菌根菌-腐生菌間の相互作用による土壌有機物の分解速度の抑制機構を解明することを目的とした。
平成30年度は、研究計画時点の内容を一部変更し、土壌微生物群集の時空間変動性を明らかにする研究を行った。具体的には、調査地である東京大学秩父演習林の土壌微生物群集の標高変化と季節変化を明らかにした。土壌微生物の多様性と標高や季節との関係に関するこれまでの研究は、共に変化する様々な環境要因については十分に考慮されてこなかった。土壌微生物群集の標高変化については、気候・植物の形質・土壌が、標高に沿った土壌微生物の多様性にどのような影響を及ぼしているかを構造方程式モデルにより明らかにした。細菌群集を対象とした結果では、多様性と標高の負の関係性が、年平均気温を介した樹木の葉の形質多様性と土壌特性の変化によって説明されることが明らかとなった。この研究の結果は、研究代表者が筆頭著者かつ責任著者となって、FEMS Microbiology Ecology誌に掲載された。
平成30年度は、研究計画時点の内容を一部変更し、土壌微生物群集の時空間変動性を明らかにする研究を行った。具体的には、調査地である東京大学秩父演習林の土壌微生物群集の標高変化と季節変化を明らかにした。土壌微生物の多様性と標高や季節との関係に関するこれまでの研究は、共に変化する様々な環境要因については十分に考慮されてこなかった。土壌微生物群集の標高変化については、気候・植物の形質・土壌が、標高に沿った土壌微生物の多様性にどのような影響を及ぼしているかを構造方程式モデルにより明らかにした。細菌群集を対象とした結果では、多様性と標高の負の関係性が、年平均気温を介した樹木の葉の形質多様性と土壌特性の変化によって説明されることが明らかとなった。この研究の結果は、研究代表者が筆頭著者かつ責任著者となって、FEMS Microbiology Ecology誌に掲載された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18J14438
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
Fungal Ecology 50 101036-101036 2021年4月 査読有り筆頭著者責任著者
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Frontiers in Microbiology 10 1944 2019年8月 査読有り筆頭著者責任著者
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FEMS Microbiology Ecology 95 fiz025 2019年2月 査読有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
4-
第131回日本森林学会大会 2020年3月29日
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Asian Mycological Congress 2019年10月2日
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日本微生物生態学会第33回大会 2019年9月12日
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第130回日本森林学会大会 2019年3月21日