共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年5月 - 2019年3月

広視野X線分光観測による宇宙大規模プラズマの研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
26220703
配分額
(総額)
206,050,000円
(直接経費)
158,500,000円
(間接経費)
47,550,000円

2017年度は研究の4年目であり、TESカロリメータおよび冷却系の開発、X線反射望遠鏡の開発といった課題に取り組んだ。本研究としてはSuper DIOSを2030年ごろに打ち上げることを目指して、DIOSと同じサイエンスを目指しつつやや力点を変えて開発を行なった。
「ひとみ」のマイクロカロリメータSXSは軌道上で4.9 eVというすばらしいエネルギー分解能を実現し、その科学成果が論文として発表された。特にペルセウス座銀河団のガスの運動状態の制限、共鳴散乱を用いたガスの構造に対する制限、中性鉄輝線が教える活動銀河周囲のガスの状態、Cr, Mn, Niなどの元素組成の初めての正確な測定などは、SXSの優れた分光性能を示す歴史的な成果である。
TESカロリメータ素子の開発としては、積層配線を用いた多素子のカロリメータの基礎的な製作を進めた。また、産総研と協力しマイクロ波読み出しの開発を進めた。これは将来的に数万ピクセルものTESカロリメータの信号読み出しを可能にする技術であり、産総研との協力で開発にはずみがつきつつある。このほかK中間子原子からの特性X線をTESカロリメータを用いてJ-PARCでの加速器実験で図る計画も進めている。
Super DIOSでは角分解能10秒角を得るために2回反射望遠鏡とするが、そのための新たな検討を名古屋大学を中心に始めている。米国やヨーロッパでは10秒角レベルの技術があるため、いかに軽量化するかという方向で、国際協力の検討を進めている。
一方、ダークバリオンの観測により宇宙の進化へどいういう制限がつけられるかを評価するため、イェール大学、東大、奈良女子大などと協力して、宇宙の構造形成と、それを新しいDIOSで観測し、エネルギースペクトルを解析するという一連の流れのシミュレーションに着手している。

リンク情報
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-26220703/26220703_saitaku_gaiyo_ja.pdf
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https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-26220703/26220703_kenkyu_shinchoku_hyoka_gaiyo_ja.pdf
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https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-26220703/26220703_kenkyu_shinchoku_hyoka_keka_ja.pdf
ID情報
  • 課題番号 : 26220703