汚染水処理二次廃棄物の廃棄体化技術の検討,4; 無機固型化材による模擬スラリーの固化試験
日本原子力学会2015年秋の大会
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- 開催年月日
- 2015年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 静岡
- 国・地域
- 日本
本件では無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC), 高炉スラグセメントB種(BB), ジオポリマー(GP))を用いて、多核種除去設備ALPSより発生する鉄共沈スラリー及び炭酸塩スラリーの模擬物の固化体を作製し、固化試料の圧縮強度や水浸漬による元素の浸出性への模擬廃棄物や固型化材の影響を調べた。圧縮強度試験では、GP試料と比較してOPC試料及びBB試料で高い強度が得られ、過剰な水分がGPの形成に悪影響を及ぼしたものと推察される。さらに、GP試料ではセメント試料と比較してスラリーによる硬化への影響が小さいことが示唆された。浸出試験では、OPC試料及びBB試料では模擬核種のCsやSrが溶出したのに対し、GP試料ではほとんど検出されなかった。CsやSrがGPの構造中に保持され不溶化したことにより浸出量が低くなったものと考えられる。今回の結果から、ALPSから発生したスラリーは、含有する成分による固化体の強度への影響が示唆されるものの、セメントやジオポリマーにより固化可能であることが示された。また、安定化処理方法によっては、スラリー中の水分が固化性状に悪影響を与えることが考えられるため、適切な処理方法を選択する必要がある。