1999
県道脇の池から発見された多発外傷を伴う水死体の1剖検例.
法医学の実際と研究
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- Volume
- Number
- 42
- First page
- 161
- Last page
- 165
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- 法医学談話会
死者は当初は不審な点が多々あった.死者の足取りは死体発見前日の夕立の頃で途切れていた.解剖で死因は溺死と判明し,損傷は高所からの転落によって形成された可能性が高いと判断されたその後,死者は死体発見前日に夕立の中を家へ急いでいた,雨が止んだ後の路上に所持品が落ちていた,雨水は側溝を鉄砲水の如くに流れていた,死者が歩いていた道路の側溝は死体の発見された池へつながっている,などのことが判明し,側溝から池へ至る水路の途中から死者のバッグが発見された.死亡時刻は,捜査で判明した食事時間と剖検で判明した食後経過時間から,足取りの途絶えた夕立の頃と特定された.死体に見られた全ての損傷は,水路を流される過程で形成されたものとして説明された.以上から,「死者は豪雨の中を歩行中に側溝へ転落,大量の水と共に水路を流され,途中で身体諸処を強打する等しつつ池へ流れ出た」と結論された
- ID information
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- ISSN : 0289-0755
- Ichushi Web ID : 2000157309