2009
独居生活者および死後長時間経過事例にみる高齢者孤独死の疫学的考察と山形県・東京都区部の地域差
法医学の実際と研究
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- Volume
- 52
- Number
- 52
- First page
- 227
- Last page
- 235
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Research paper (scientific journal)
- Publisher
- 法医学談話会
2003〜2007年に山形県警と東京都監察医務院が扱った異状死体のうち、65歳以上の独居生活者、および死亡後発見まで長時間経過(山形県では死後3日以上経過、東京都では4日以上経過)した事例の検案データをもとに地域差の分析を行い、以下の結果を得た。1)65歳以上の全異状死体に占める独居者の割合は東京都区部(以下;東京都)が山形県よりも有意に高かった(36% vs 14%)。2)65歳以上の全異状死体に占める死後長時間経過例の割合も東京都が有意に高かった(13% vs 6%)。3)死後長時間経過例の死因として自殺が占める割合は山形県のほうが有意に高かった(9% vs 3%)。4)死後長時間経過例の発見者は両地域とも「家人・親戚」の割合が最も高かったが、東京都では「隣人・管理人」の割合も高く、「家人・親戚」とほぼ同率であった。5)東京都では「家人・親戚」に発見された割合に男女差がみられ、女性屍のほうが有意に高かった。6)山形県における死後長時間経過例のデータを死後短時間(3日未満)例と群間比較すると、独居生活者の割合が有意に高く、「家人・親戚」に発見された割合が有意に低かった。
- Link information
- ID information
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- ISSN : 0289-0755
- Ichushi Web ID : 2010196464
- CiNii Research ID : 1010282257049924485