基本情報

所属
東京慈恵会医科大学 解剖学講座 教授
学位
博士(医学)(1996年7月 東京慈恵会医科大学)

連絡先
maokabejikei.ac.jp
J-GLOBAL ID
200901081291209481
researchmap会員ID
0000003473

外部リンク

【形態学に関する研究】

東京慈恵会医科大学卒業後、ショウジョウバエの感覚器をモデルに、発生現象の遺伝子メカニズムを研究しました。発生遺伝学的手法を用い、胚の伸展受容器(chordotonal organ)の形成におけるEGFシグナルの役割(argosやsprouty遺伝子)、成虫の機械刺激受容器の発生に関与する神経特異的RNA結合タンパク質Musashi(msi遺伝子)、胚中枢神経系のグリア細胞の運命決定機構(gcmやrepo遺伝子)、さらには体節特異的感覚器の誘導メカニズム(atonalやPax6遺伝子)について研究を行いました。特に体節特異的感覚器の誘導メカニズムに関する研究を通じ、昆虫の形態進化に関心を持ち、進化発生学に興味を広げました。その後の留学を契機に、脊椎動物の形態形成の研究へと進み、脊椎動物の各タクサにおける咽頭嚢由来の器官発生に着目しました。魚類の鰓と四肢動物の副甲状腺の発生メカニズムを比較し、副甲状腺が鰓から進化したことを示しました。この研究は、約4億年前に魚類がどのように陸上に適応し、四肢動物へと進化したのかを考察する上で重要な示唆を与えるものです。現在は、Gcm2遺伝子に着目した鰓から副甲状腺への進化メカニズムの解明、およびTbx4遺伝子を介した原始的な肺から現在の鰾(浮き袋)への進化など、進化発生学的アプローチによる研究を展開しています。

 

【色覚の多様性に関する啓発活動】

人の色覚は本来多様であり、その一形態として、先天色覚異常と診断される色の見え方を持つ人がいます。先天色覚異常は日本人では男性の約20人に1人、女性の約500人に1人の割合で見られます。また、網膜疾患や白内障などによって、後天的に色の見え方が変化することもあります。しかし、ハザードマップ、路線図、地図などの公共の案内表示や、家電製品のリモコン、LEDのパイロットランプなど、色分けによる情報伝達が広く用いられているにもかかわらず、すべての人が等しく情報を認識できるわけではありません。色の見え方の違いによって、情報の判読が難しくなる場合があります。こうした課題を解決し、より多くの人が正確に情報へアクセスできる社会の実現を目指し、2001年より色のバリアフリーやカラーユニバーサルデザインの普及啓発活動に取り組んできました。その活動の一環として、2004年にはNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)を設立し、より広範な社会への普及に努めています。(CUDO公式サイト:https//cudo.jp)


委員歴

  21

受賞

  1

論文

  112

MISC

  42

書籍等出版物

  5

講演・口頭発表等

  281

共同研究・競争的資金等の研究課題

  27