2019年4月 - 2024年3月
上陸時の器官進化の保守と革新を可視化するGCM2複合体標的遺伝子座の網羅比較解析
科学研究費補助金 基盤研究(C) 基盤研究(C)
これまでの格段の努力にも関わらずGcm2-APEXノックイン動物の作製は困難であった。それに変わる方法として、培養細胞を用いた実験系を構築し、転写制御因子Gcm2の機能解析を行った。HEK293培養細胞とGcm2標的配列を有するレポーター遺伝子を用いた実験から、マウスGcm2とゼブラフィッシュGcm2では、そのTAD(TransActivating Domain)の転写活性化能に顕著な差があり、 HEK293にはマウスGcm2のTADを介して協働するコファクターが存在することが明らかになった。そこでマウス、ゼブラフィッシュのGcm2-APEXプラスミドをHEK293に導入し、Gcm2-APEXに近接するタンパク質をビオチン化することで、コファクターの標識を試みた。ビオチン化されたタンパク質の細胞内局在を顕微鏡下で観察したところ、ゼブラフィッシュGcm2-APEXではビオチン化されたタンパク質核内に多く存在するのに対し、マウスGcm2-APEXでは細胞質に多く存在した、Gcm2標的配列レポーターも導入してGcm2-APEXの転写活性も同時に可視化したところ、ビオチン化タンパク質が細胞質に存在するマウスGcm2導入細胞でのみ、レポーター活性が検出された。このことから、Gcm2が核外に移動することが転写活性に重要であることが示唆された。マウスGcm2の核外への移動と転写活性化の気候には、マウスとゼブラフィッシュ間のTADの構造の違いと関連していると考え、現在TAD内の責任領域の特定を進めている。
Gcm2の標的遺伝子座の同定と、Gcm2により誘導されるオープンクロマチン領域の同定をするためにATAC-seq解析を採用することにした。そのためには副甲状腺細胞を単離する必要があるが、Gcm2-EGFPマウスを新たに導入し、甲状腺内に埋没する副甲状腺細胞を単離することに成功した。
Gcm2の標的遺伝子座の同定と、Gcm2により誘導されるオープンクロマチン領域の同定をするためにATAC-seq解析を採用することにした。そのためには副甲状腺細胞を単離する必要があるが、Gcm2-EGFPマウスを新たに導入し、甲状腺内に埋没する副甲状腺細胞を単離することに成功した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K07258
- 体系的課題番号 : JP19K07258