MISC

2018年6月

ばねばかりを用いた簡易な舌-口蓋接触トレーニングの開発 ばねばかりによる牽引負荷が舌圧に与える影響

言語聴覚研究
  • 南都 智紀
  • ,
  • 小野 高裕
  • ,
  • 堀 一浩
  • ,
  • 福岡 達之
  • ,
  • 児玉 典彦
  • ,
  • 道免 和久

15
2
開始ページ
62
終了ページ
70
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本言語聴覚士協会

<文献概要>簡易な機器で舌挙上に負荷を加えることを目的とし,ばねばかりを用いた簡易な舌-口蓋接触トレーニングを考案した.本研究では,ばねばかりにより調節した牽引負荷が舌圧に与える影響を検討した.対象は最大押し付け舌圧が各年代の平均値未満であった嚥下障害を呈する患者20名とした.方法は,はかりに固定したガーゼを舌-口蓋接触の力のみで10秒間保持するように指示し,評価者がはかりを牽引した.負荷量は50g,100g,200g,300gの4条件を設定した.牽引時の舌圧最大値,舌圧積分値を舌圧センサシートで記録,解析し,負荷量の増加に伴う舌圧の増加傾向の有無の検定,各条件間での比較を行った.口蓋の正中前方部,左右後方周縁部では,牽引力の増加に伴い,舌圧最大値,舌圧積分値は有意な増加傾向を認めた.また正中前方部の舌圧最大値,舌圧積分値は各条件間で有意差を認め,牽引力の増加に伴って舌圧が増加した.ばねばかりを用いた簡易な舌-口蓋接触トレーニングは舌前方部へ負荷を加えるトレーニングとして利用できる可能性が示唆された.

ID情報
  • ISSN : 1349-5828
  • 医中誌Web ID : S703130003

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