熱処理による耐硫酸用プラズマ溶射レーザー処理材料の耐食性の改善
日本材料学会第67期学術講演会
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- 開催年月日
- 2018年5月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 高知
- 国・地域
- 日本
熱化学水素製造法(ISプロセス)は、大規模水素製造方法の有力な候補の一つである。ISプロセスには、硫酸を熱分解する厳しい環境が含まれている。ISプロセスの実用化を目指して、耐硫酸性と延性をもつハイブリッド材料の開発を進めている。プラズマ溶射とレーザー処理により作製したハイブリッド材料は、95\%沸騰硫酸中で十分な耐食性を有したが、47\%沸騰硫酸中では腐食速度が50倍程度増加した。この原因は、表面の割れが十分に封止されなかったためと考えられる。47\%沸騰硫酸中での耐食性を高めるため、ハイブリッド材料に大気中800$^{\circ}$C, 900$^{\circ}$Cでの酸化処理を施した。酸化処理材の47\%沸騰硫酸中で300時間までの浸漬試験を実施した。腐食速度は一桁程度低下し、本酸化処理がハイブリッド材料の耐食性向上に有効であることを確認した。腐食試験後の酸化処理材の断面SEM/EDX観察等により、耐食性改善のメカニズム及び長期健全性について表面割れの自己修復の観点から検討した。