講演・口頭発表等

高温ガス炉およびこれによる水素製造法の研究開発状況

日本化学会第11回CSJ化学フェスタ
  • 久保 真治

開催年月日
2021年10月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
online
国・地域
日本

我が国が宣言した2050年までにカーボンニュートラルの実現に向け、原子力は化石資源を使用しない安定的電力供給や非化石資源由来の水素製造などで貢献可能である。高温ガス炉は、被覆燃料粒子,黒鉛ブロック減速材,ヘリウムガス冷却材を用いることで物理的特性による優れた安全性を発揮する。原子力機構は、高温ガス炉の実用化に向けてHTTRの建設以降、安全性の実証などを進めてきた。2011年から長期運転停止していたが、2020年6月再稼動に向け規制庁から原子炉設置変更許可を取得し、2021年の運転再開を目指している。高温ガス炉は、コジェネシステム(発電,水素製造)を含めて多様な産業用の熱利用システムを構成することができる。熱化学水素製造法ISプロセスは高温ガス炉の高温温度域に適合した化学反応を駆動して、二酸化炭素の排出がない水分解による水素製造法を構築することができる。原子力機構におけるISプロセスの研究開発は、基礎的ガラス機器試験の次段階である実用工業材料製機器試験(セラミックス材,耐食ライニング材,耐食耐熱金属材)の段階まで到達している。本講演では、高温腐食環境に耐える反応器開発,水素製造試験,高効率化に向けた膜分離技術など、本プロセスの研究開発状況について紹介する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5072209