安全性に優れる高温ガス炉とカーボンニュートラルに向けた熱利用技術
日本原子力学会水化学部会第41回定例研究会
- 開催年月日
- 2021年11月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- online
- 国・地域
- 日本
高温ガス炉の特長はその優れた安全性であり、BDBAにおいても炉心溶融が発生しないことが原子力規制庁に認められたことで大規模な追加工事をすることなく、2021年7月に運転再開することができた。カーボンニュートルの実現に向け、高温ガス炉を高温熱源として、ヘリウムガスタービン高効率発電システム、負荷変動吸収のための再生可能エネルギーとのハイブリッドシステム、水素還元製鉄への利用が期待されるカーボンフリー水素製造システムと様々な産業へ利用することが可能である。カーボンフリー水素製造システム(あISプロセス)の研究開発はガラス機器段階を脱し、実用工業材料製機器試験の段階まで進捗しており、150時間(毎時30L)の水素製造に成功している。原子力機構は、今後、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略に示された工程表に則り、HTTRを活用した「固有の安全性」確認のための試験、カーボンフリー水素製造に必要な技術開発(HTTR-熱利用試験)および高温熱を利用したカーボンフリー水素製造技術(ISプロセス)の確立を進めていく計画である。