2018年4月 - 2022年3月
卵細胞質の時空間的ミトコンドリア機能制御による高妊孕性卵母細胞の創出
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
本研究は、卵細胞質を量的・質的に改変(ミトコンドリアDNA(mtDNA)コピー数制御を含む)することで、卵母細胞の時空間的制御が発生能に関与する機構を明らかにし、発生・妊孕能の高い卵母細胞の作出系を構築することを目的としている。
令和元年度は以下について取り組んだ。
(1)卵細胞質mtDNAコピー数の成熟時の動態解析:IVM培養前後の卵母細胞中ミトコンドリアDNAコピー数は体外成熟前後で有意差が認められなかったが、MF由来卵母細胞中のDNAコピー数と比較してSF由来卵母細胞中のそれは有意に低いことが明らかになったので、ミトコンドリア合成に係る遺伝子を強制発現させることでどのような影響が出るのかを調べるために種々の手法を試した。
(2)ミトコンドリア融合・分裂能の解析と卵細胞質オートファジー活性の成熟・発生時の変動解析: 中卵胞(MF:直径3-6 mm)由来卵母細胞と小卵胞(SF:直径3 mm未満)由来卵母細胞でオートファジー能について調べた。その結果、体外成熟および初期発生能を指標としたオートファジー阻害剤や同促進剤に対する反応がMF由来卵母細胞はそれらに反応する能力があるものの、SF由来卵にはそれらがないことを明らかにした。また、オートファジー能にも影響することが知られているトレハロースがSF由来卵母細胞の体外成熟および初期発生能を改善することを明らかにした。一方、卵母細胞からの精子ミトコンドリア除去にオートファジーが関わる可能性を示した。
(3)ケージドアミノアシルtRNAのミトコンドリア制御への適用: 卵母細胞への光増感剤とペプチド/タンパク質を組み合わせた分子ツール(機能性光増感ペ
プチド:Functional Photosensitizing Peptide/Protein; FPP)の製作と卵への導入を引き続き検討した。
令和元年度は以下について取り組んだ。
(1)卵細胞質mtDNAコピー数の成熟時の動態解析:IVM培養前後の卵母細胞中ミトコンドリアDNAコピー数は体外成熟前後で有意差が認められなかったが、MF由来卵母細胞中のDNAコピー数と比較してSF由来卵母細胞中のそれは有意に低いことが明らかになったので、ミトコンドリア合成に係る遺伝子を強制発現させることでどのような影響が出るのかを調べるために種々の手法を試した。
(2)ミトコンドリア融合・分裂能の解析と卵細胞質オートファジー活性の成熟・発生時の変動解析: 中卵胞(MF:直径3-6 mm)由来卵母細胞と小卵胞(SF:直径3 mm未満)由来卵母細胞でオートファジー能について調べた。その結果、体外成熟および初期発生能を指標としたオートファジー阻害剤や同促進剤に対する反応がMF由来卵母細胞はそれらに反応する能力があるものの、SF由来卵にはそれらがないことを明らかにした。また、オートファジー能にも影響することが知られているトレハロースがSF由来卵母細胞の体外成熟および初期発生能を改善することを明らかにした。一方、卵母細胞からの精子ミトコンドリア除去にオートファジーが関わる可能性を示した。
(3)ケージドアミノアシルtRNAのミトコンドリア制御への適用: 卵母細胞への光増感剤とペプチド/タンパク質を組み合わせた分子ツール(機能性光増感ペ
プチド:Functional Photosensitizing Peptide/Protein; FPP)の製作と卵への導入を引き続き検討した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H02328
- 体系的課題番号 : JP18H02328