2010年5月
瑞浪超深地層研究所(MIU)の深部地下水に存在する微生物の生物化学特性
Microbial Ecology
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- 巻
- 60
- 号
- 1
- 開始ページ
- 214
- 終了ページ
- 225
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1007/s00248-010-9683-9
花崗岩深部においても微生物の生態系がみられることが知られているが、そのバイオマスや生物多様性,代謝活性を制限する地球化学的要因は明らかになっていない。今回、筆者らは地球化学特性と微生物学特性の関連性を明らかにするため、2005年及び2008年に瑞浪超深地層研究所(MIU)用地内に掘削されたMIZ-1号孔より深度1,169m地点において採取された地下水試料の生物地球化学的特性の調査を行った。化学分析の結果、いずれの試料においても酸素や硝酸,硫酸等の電子受容体は乏しいものの、有機酸を含まない有機炭素に富むことがわかった。いずれの地下水においても、優占する微生物種は、芳香族や脂肪族炭化水素のような利用されにくい電子供与体を利用可能な{\it Thauera}属に属する微生物であることがわかった。複数のエネルギー源や電子受容体を添加した3$\sim$5週間の培養試験では、培養試験の条件にかかわらず、優占種が{\it Brevundimonas}属へと変化した。これらの生物地球化学調査の結果から、MIU深部では、酸素や硝酸の電子受容体と有機酸が乏しいことから{\it Thauera}属が優占する環境が保持されていると考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1007/s00248-010-9683-9
- ISSN : 0095-3628
- PubMed ID : 20473491