共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

AMPKを介した抗酸化作用を有する新規機能性単糖による加齢黄斑変性の予防と治療

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K11626
体系的課題番号
JP21K11626
配分額
(総額)
2,860,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
660,000円

まずは、細胞実験をするためにヒト網膜色素上皮細胞(Lonza社)を安定して培養するために過去の報告に基づいて12well plateでの培養を試みた。網膜色素上皮細胞は上皮細胞の性質を持つと(細胞極性を持つと)正六角形の形状となる。本研究は、できるだけin vivoの状態を再現するために細胞極性を持つ状態で実験を行うことにした。12well plateに播種後、3日目にはコンフルエントになったが、5日目には正六角形の形状となり、10日目には細胞死が目立つようになった。今回の結果、これまでの実験結果より5日目~7日目の細胞が細胞極性を持つと考え実験に使用した。希少糖の抗酸化ストレス作用を調べるために、網膜色素上皮細胞を希少糖と共培養したのち、過酸化水素刺激を行った。顕微鏡による評価、MTT試験、炎症性サイトカイン(IL6、IFN、TNF、IL1beta)の測定をELISA法で実施した。MTT試験ではコントロールと比較して、希少糖共培養群では細胞死の割合がわずかに減少した。過酸化水素水刺激では細胞死が増加した。希少糖+過酸化水素水刺激群では過酸化水素水刺激群よりも細胞死の割合が減少すると予想していたが統計学的に有意な結果には至らなかった。また、各種炎症性サイトカインについても現在の条件では過酸化水素刺激群、希少糖共培養群ではコントロールと比較して傾向は確認できたが統計学的な有意差は出ていない。これらの結果は、網膜色素上皮細胞が極性を持つと、従来の培養細胞よりも細胞死を起こしにくくなることが影響している可能性が考えられる。2年目には、条件を調整して同様の実験を行っていく。また、当科では硝子体手術で得られた眼内液を保管しており、様々な症例の炎症性サイトカインを定量することで将来的に希少糖が有用となる疾患を絞ることを検討している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K11626
ID情報
  • 課題番号 : 21K11626
  • 体系的課題番号 : JP21K11626