2020年10月 - 2023年3月
冬眠動物の概日時計の分子機構:カルシウムを基軸とした低温リズム発振機構の解明
科学研究費 補助金 学術変革領域研究(B) 冬眠生物学~哺乳類の低代謝・低体温による生存戦略
- 課題番号
- 20H05769
- 体系的課題番号
- JP20H05769
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 39,780,000円
- (直接経費)
- 30,600,000円
- (間接経費)
- 9,180,000円
哺乳類の冬眠の開始/終了や中途覚醒には時刻依存性があることが古くから知られ、概日時計中枢は低温でもリズムを継続すると推察された。 しかしながら、時計遺伝子の転写振動の有無に対しては研究室ごとに見解が分かれており、議論が続いている。従来の解析法では時間点ごとに異なった個体を用いて解析しており、リズム解析の精度を著しく低下させる問題が指摘されている。さらに概日時計は何千もの遺伝子のリズムを生み出していることから、冬眠時の概日時計の挙動を理解する上で「時計機能を評価する本質的なリズム指標は何か?」が長らく議論となっていた。本研究では、冬眠動物における振動メカニズムをカルシウムを基軸に明らかにすることを目指して研究行った。
これまでに、恒温恒湿器内に低温計測顕微鏡システムを設置し、アデノ随伴ウイルスの感染により時計遺伝子レポーターおよび遺伝子コード型Ca2+センサーを視交叉上核に感染発現させ、低温条件で視交叉上核培養スライスのタイムラプス光計測法を行う方法を確立した。その結果、概日時計中枢のユニークな低温応答やリズム特性を見いだしている。さらに冬眠動物の中枢時計の概日リズムを解析するため、動物用低温チャンバーを導入して冬眠動物(ハムスター)の冬眠誘導を可能とした。現在、冬眠動物からの脳深部計測と行動/深部体温計測を試みている。
研究分担者は、休眠導入や各臓器の低温耐性への低温性シグナリングの役割を明らかにすることを目指し研究を行った。概日リズムの温度補償性にはNa/Ca交換輸送体を介するカルシウムシグナルが関与する論文をScience Advancesに発表した。さらに培養細胞レベルで低温性応答のアッセイ系を用い、阻害剤やノックダウンの影響を評価し、冬眠実行の起点となる分子の同定を試みている。
これまでに、恒温恒湿器内に低温計測顕微鏡システムを設置し、アデノ随伴ウイルスの感染により時計遺伝子レポーターおよび遺伝子コード型Ca2+センサーを視交叉上核に感染発現させ、低温条件で視交叉上核培養スライスのタイムラプス光計測法を行う方法を確立した。その結果、概日時計中枢のユニークな低温応答やリズム特性を見いだしている。さらに冬眠動物の中枢時計の概日リズムを解析するため、動物用低温チャンバーを導入して冬眠動物(ハムスター)の冬眠誘導を可能とした。現在、冬眠動物からの脳深部計測と行動/深部体温計測を試みている。
研究分担者は、休眠導入や各臓器の低温耐性への低温性シグナリングの役割を明らかにすることを目指し研究を行った。概日リズムの温度補償性にはNa/Ca交換輸送体を介するカルシウムシグナルが関与する論文をScience Advancesに発表した。さらに培養細胞レベルで低温性応答のアッセイ系を用い、阻害剤やノックダウンの影響を評価し、冬眠実行の起点となる分子の同定を試みている。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H05769
- 体系的課題番号 : JP20H05769
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
3-
冬眠休眠研究会 2022年2月5日
-
第二回冬眠生物学領域会議 2021年2月16日
-
学術変革領域「冬眠生物学」キックオフミーティング 2020年11月24日