2011年2月
幌延深地層研究計画における低アルカリ性セメント系材料の適用性; 140m調査坑道における原位置吹付け施工試験
JAEA-Research 2010-055
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- 開始ページ
- 25
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
- DOI
- 10.11484/jaea-research-2010-055
地層処分施設は、地下300m以深に建設されることから、坑道の空洞安定性確保や掘削に伴う湧水量の抑制のため、セメント系材料を用いた支保工が検討されている。従来の地下構造物に一般的に用いられるセメント系材料であるOPCはセメント硬化体の細孔溶液中に含まれるアルカリ成分により、pHが12-13程度の高アルカリ性を呈する。地層処分施設においては、上記の高アルカリ成分が地下水に溶出した場合、人工バリア及び天然バリアの性能に影響を与える可能性がある。このような影響を低減するために、原子力機構では、HFSCを開発し、化学的特性,施工性などについて検討を実施してきた。現在までの検討結果から、HFSCが幌延URLの設計基準強度を上まわる強度発現が可能であること、OPCと同等の施工性を有することが示されたので、幌延URLの坑道において、吹付け施工試験を実施した。その結果、HFSCはOPCと同等もしくは良好な施工性を示し、地下坑道への適用性が確認された。これまで、低アルカリ性セメントを用いた小規模な吹付け施工試験は海外で例があるものの、今回実施した幌延の地下施設での原位置試験のように、低アルカリ性セメントを実際の坑道の工事に使用した本格的な施工は世界初である。
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- DOI : 10.11484/jaea-research-2010-055