ナノインデンテーション法を用いた燃料被覆管の機械特性評価
日本原子力学会2021年秋の大会
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- 開催年月日
- 2021年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 札幌(online)
- 国・地域
- 日本
燃料被覆管は、水素化や高温酸化により機械特性が劣化する。微細組織の変化がマクロな機械的特性に与える影響を把握するため、ナノインデンテーション法を用いた試験を実施している。本報告では、同手法をZr合金被覆管に適用する上で有効なデータ補正手法およびLOCA模擬試験後試料の測定結果について紹介する。補正手法の検討では、圧痕周辺の盛り上がり(パイルアップ)を考慮した面積関数を決定し、これを補正に用いることで、硬さやヤング率の荷重依存性が低減することを確認した。測定の一例として、昇温破裂後に1200$^{\circ}$CにてECR約20\%まで高温酸化し、700$^{\circ}$Cまで徐冷後、クエンチした被覆管試料の硬さを評価した。破裂部から軸方向に約20mm位置における残存金属層中の硬さ分布は、破裂部と比較して高い側にシフトしており、prior-$\beta$相中の水素濃度増加および析出$\alpha$相中の酸素濃度増加に起因していると考えられた。