2020年3月
燃料被覆管用改良合金の照射成長挙動
日本原子力学会和文論文誌
- ,
- 巻
- 19
- 号
- 1
- 開始ページ
- 24
- 終了ページ
- 33
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/taesj.J18.047
原子力事業者は、既存の発電用軽水炉のさらなる有効活用と安全性向上等のため、軽水炉燃料被覆管の組成を従来の材料から変更することで外表面腐食量や水素吸収量の抑制を図った改良型Zr燃料被覆管合金の開発を進めてきている。この改良合金Zr試料を対象として、試験用原子炉(ノルウェー・ハルデン炉)を用いた照射成長試験を実施した。種々の組成を有する改良合金Zr燃料被覆管からクーポン状の試験片を作製し、照射試験リグに装荷して、ハルデン炉の水ループ内で約8$\times$10$^{21}$(n/cm$^{2}$、E$>$1MeV)まで照射した。照射温度は240, 300及び320$^{\circ}$Cであり、照射温度300及び320$^{\circ}$Cにおける水化学条件は商用PWR条件を模擬したもの、また照射温度240$^{\circ}$Cについてはハルデン炉の冷却材条件であった。原子炉の停止期間中及び照射試験終了時には試験片の外観観察並びに試験片の長さ及び重量測定を行った。長さの変化量から求めた照射成長量は、照射温度、被覆管の製造時熱処理条件、製造時に添加した水素量等の条件が同じ場合、合金組成によらず同程度であった。また、照射成長量と照射欠陥の蓄積及び回復挙動との関係が改良合金においても示唆された。
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- DOI : 10.3327/taesj.J18.047
- ISSN : 1347-2879