講演・口頭発表等

国際会議

PWR炉水条件の模擬環境下における316ステンレス鋼の機械的性質への溶存水素および酸素の影響

Nuclear Materials Conference 2018 (NuMat 2018)
  • 武内 伴照
  • ,
  • 中野 寛子
  • ,
  • 大塚 薫
  • ,
  • 広田 憲亮
  • ,
  • 土谷 邦彦

開催年月日
2018年10月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
アメリカ合衆国

ステンレス鋼は腐食環境下で引張応力が存在すると、材料本来の強度よりも低い応力で割れが発生する応力腐食割れ(SCC)現象を引き起こすことが古くから知られている。SCCは、材料, 環境, 応力の三つの要素が揃った時に発生すると考えられているが、その発生メカニズムはまだ十分理解されていない。本研究では、溶存酸素および水素濃度に着目して、ステンレス鋼の原子炉炉水環境における応力腐食割れ感受性を調べた。試験には、AISI316ステンレス鋼を供し、オートクレーブ装置を備えた高温高圧水ループ装置でSSRTを行った。溶存酸素濃度は1,10,50,80,100ppb、溶存水素(DH)は0または500ppbに制御した。SSRTは、325$^{\circ}$Cおよび15MPaで5$\times$10$^{-3}$mm/分のひずみ速度で行った。DHが0ppbの時、DOが100および80ppbで約590MPaの引張強さであったが、DOが50, 10および1ppbでは約20MPa減少した。一方、DHが500ppbの時、DOが80ppbで約590MPaの引張強さであったが、DOが50, 10, 1ppbでは約20$\sim$30MP減少し、DOが100ppbでは40MPa減少した。この結果は、水素によるSCCが溶存酸素濃度の影響を強く受けることが示唆された。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5062925