オーステナイトステンレス鋼とフェライト鋼の照射損傷組織と強度特性に及ぼすDPAとHe生成量の効果
日本原子力学会2019年春の年会
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- 開催年月日
- 2019年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 水戸
- 国・地域
- 日本
オーステナイト鋼やフェライト鋼は様々な原子力材料や加速器ターゲット材料等に使用されている。これらの材料は照射によって微細組織や強度特性が変化し、DPAやHe生成量による影響を受けることが知られている。本研究は様々な照射手法を用いDPAとHe生成量に関する引張、クリープ特性等の変化を明らかにすることを目的とした。本研究の供用材には、316鋼, ボロン添加した316鋼, 304鋼、及びHCM12A鋼を用いた。500$^{\circ}$Cから600$^{\circ}$Cの温度領域で原子炉照射にJOYOとJRR-3Mの照射、東北大学サイクロトロンによるHe注入、東京大学HITイオン照射などを実施した。DPAの増加に伴って照射硬化量が増加し、He生成量の増加に伴い、その割合が増える傾向にあった。He量の増加に伴い、その寿命が低下すると共に、DPA増加によってもその低下が大きくなることが分かった。He生成量が増えた材料の破面では粒界割れの発生が見られた。一方、照射組織に関してはサイクロトロンでHe注入したこれらの鋼で空孔型クラスターに対するミクロ組織と陽電子寿命測定の結果では、フェライト鋼の方がより大きなクラスターが存在する正の相関を示す結果を得た。