共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

琉球列島集団の形成過程と遺伝的および形態的多様性の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
19H05349
体系的課題番号
JP19H05349
配分額
(総額)
10,400,000円
(直接経費)
8,000,000円
(間接経費)
2,400,000円

1. 全ゲノム配列データを用いた琉球列島における集団形成史の解明: 研究代表者および研究協力者が収集した膨大なサンプルの中から、これまでに琉球列島の人々200名分(沖縄本島n=41, 久米島n=60, 宮古諸島n=37, 八重山諸島n=48, 奄美群島n=14)の全ゲノム配列情報を取得した。本年度は主に八重山諸島集団についての解析を進めた。全ゲノム配列情報を用いた主成分分析の結果、八重山諸島集団のクラスターは他の琉球列島集団のクラスターと比べ、本州集団のクラスター寄りに位置することが示された。f4テストによって検定を行うと、八重山諸島集団は他の琉球列島集団と比べ有意に本州集団からの遺伝子流入を受けていることが示唆された(f4(Han, Honshu; Okinawa, Yaeyama) = 2.712)。今回、地理的に最も離れている八重山諸島において、本土日本集団との遺伝的近縁性が確認されたことは興味深い。今後さらなる解析によって、八重山集団の形成過程について詳細に解明することが必要である。
2. ヒトEDAR 370V/A多型と歯根形態: 本研究では、琉球大学病院歯科口腔外科において治療目的でコーンビームCT撮影を行った成人患者255名(男性98名、女性157名)から同意を得て、唾液試料を採取した。各被験者のCT画像を精査し、上顎第一および第二小臼歯(UP1、UP2)、上顎第一および第二大臼歯(UM1、UM2)、ならびに下顎第一および第二大臼歯(LM1、LM2)の歯根形態を分類した。そして、採取した唾液からDNA抽出を行ってEDAR 370V/A多型を解析し、歯根形態との関連を統計的に調べた。結果として、アジア型のEDAR 370Aアリルが単一根の上顎第一小臼歯、3根の下顎第一大臼歯、樋状(C字)根の下顎第二大臼歯といったシノドントの表現型と有意に関連することが示された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-19H05349
ID情報
  • 課題番号 : 19H05349
  • 体系的課題番号 : JP19H05349