2021年4月
FeCrAl-ODS合金のAl, Crの固溶強化
Materials Science \& Engineering A
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- 巻
- 812
- 号
- 開始ページ
- 141076\_1
- 終了ページ
- 141076\_11
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1016/j.msea.2021.141076
FeCrAl-ODS鋼は、軽水炉の事故耐性燃料に対する有望な材料として期待されている。この合金に対してAlとCrは鍵となる元素であり、Crはアルミナ形成を促進し、Alは脆性相となるCrリッチ相($\alpha$')の形成を抑制する重要な相乗効果を有している。今回の研究では、Cr(9-16at.\%)とAl(10-17 at.\%)の添加量を系統的に変化させ、室温, 300, 700度の引張試験を実施し、CrとAlの両添加に及ぼす固溶強化に関する調査を行った。その結果、軽水炉の運転温度である300度において、CrとAlの1at.\%当りの固溶強化量は、それぞれ20, 5MPaと直線的に増加することが分かった。この固溶強化量は、一般的なFleischer-Friedel理論やLabusch理論では説明できず、鈴木の変形はラセン転位の2重キンク機構により説明可能であることを明らかにした。本研究成果は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成25-28年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管」の研究成果である。
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- DOI : 10.1016/j.msea.2021.141076
- ISSN : 0921-5093