2018年4月 - 2021年3月
味細胞甘味調節機構の分子・生理基盤の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、レプチンや内因性カンナビノイドにより甘味受容細胞で活性化される細胞内情報伝達経路を焙り出すとともに、その細胞特異性についても追及し、甘味感受性調節機構の分子・生理基盤を明らかとすることを目的とする。
本年度は、前年度に引き続き、甘味受容細胞でのレプチンのシグナル経路について検討した。甘味受容体コンポーネントT1R3を発現する細胞を同定できる遺伝子改変マウス(T1R3-GFPマウス)を用い、GFP発現味細胞のショ糖応答に対するレプチン投与の効果を調べると、約30%程度の応答抑制効果が見られ、これは、PI3キナーゼ(PI3K)阻害剤(wortmannin、LY294002)により阻害された。一方、STAT3阻害薬(Stattic)、SHP2阻害薬(SHP099)はレプチンの甘味抑制効果には影響を与えなかった。前年度、および今年の結果から、レプチンは甘味細胞においてPIK3を活性化することで甘味抑制効果を発揮すると考えられる。また、レプチンの最終ターゲットとなるKATPチャネルの味覚への関与をin vivoで調べるため、KATPチャネル開口剤であるDiazoxide投与のマウス短時間リック応答への影響について解析した。マウスに100mMショ糖に対し嫌悪条件づけを施し、各種味溶液へのリック応答を調べると、Diazoxide投与およびレプチン投与により各種甘味物質に対するリック応答が増加した。これは甘味に対する感受性がレプチン投与およびDiazoxide投与により減少することを示す。レプチン投与とDiazoxide投与の間で甘味抑制効果は変わらなかったことから、レプチンはin vivoにおいても甘味味細胞のKATPチャネルを開口することにより甘味抑制効果を発揮することが示唆される。
本年度は、前年度に引き続き、甘味受容細胞でのレプチンのシグナル経路について検討した。甘味受容体コンポーネントT1R3を発現する細胞を同定できる遺伝子改変マウス(T1R3-GFPマウス)を用い、GFP発現味細胞のショ糖応答に対するレプチン投与の効果を調べると、約30%程度の応答抑制効果が見られ、これは、PI3キナーゼ(PI3K)阻害剤(wortmannin、LY294002)により阻害された。一方、STAT3阻害薬(Stattic)、SHP2阻害薬(SHP099)はレプチンの甘味抑制効果には影響を与えなかった。前年度、および今年の結果から、レプチンは甘味細胞においてPIK3を活性化することで甘味抑制効果を発揮すると考えられる。また、レプチンの最終ターゲットとなるKATPチャネルの味覚への関与をin vivoで調べるため、KATPチャネル開口剤であるDiazoxide投与のマウス短時間リック応答への影響について解析した。マウスに100mMショ糖に対し嫌悪条件づけを施し、各種味溶液へのリック応答を調べると、Diazoxide投与およびレプチン投与により各種甘味物質に対するリック応答が増加した。これは甘味に対する感受性がレプチン投与およびDiazoxide投与により減少することを示す。レプチン投与とDiazoxide投与の間で甘味抑制効果は変わらなかったことから、レプチンはin vivoにおいても甘味味細胞のKATPチャネルを開口することにより甘味抑制効果を発揮することが示唆される。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09507
- 体系的課題番号 : JP18K09507