2006年11月
ホウレンソウ水溶性画分中のウラン分析
KEK Proceedings 2006-5
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- 日本語
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人間に対する放射性核種による内部被ばくの影響を考える際、体内に取り込まれるまでの一連の経路について明らかにする必要がある。現在、環境での放射性核種の移行や循環挙動等を明らかにするため、大気浮遊塵,土壌、陸水,海水等の放射性核種分析や、それらの化学形態分析に関する研究が盛んに進められている。しかしながら、植物中の放射性核種の化学形態に関する知見はほとんどない。本研究では微量ながらもほとんどの物質に含まれているウランに着目し、植物中ウランの化学形態を明らかにすることを目的として農作物のうち比較的ウランの移行係数が高いホウレンソウを用いて実験を行った。その結果、ホウレンソウ水溶性画分中ウランは20.8-45.1\%の割合で100Da以上の高分子量成分に結合していることがわかった。しかし、高濃度のNaClによりウランが高分子量成分から脱離したことから、その結合は弱いと推測した。