2021年8月 - 2023年3月
複数の資産に同時発生するバブルの発散現象とマクロ経済の理論的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
本研究はこれまで、複数の資産にバブルが同時発生するマクロ経済モデルを構築した。具体的には、小国開放モデルという国際的に大きな金融市場に自由にアクセスできる小国経済で、複数の資産にバブルがどのように発生するのかと、そのようなバブルの特徴を分析した。
本研究では、金融市場が統合すると複数の資産に同時にバブルが発生することを明らかにした。グローバルな金融市場に自由アクセスできるようになった小国は、金融市場から借入を行い、それが国内の複数の資産のバブルを買い支えることによってバブルが発生するようになる。さらに往来のバブルの研究と違って、本研究におけるバブルは、発散経路上で発生することになる。発散経路上では、資産は永続的に成長するという特徴を持っており、バブルの一番の特徴である、資産価格の急上昇という側面を捉えることに成功していると思われる。
往来のバブルの研究では、無限期間の視野を持つ経済主体を仮定した場合、バブルが発生するためには、借入制約が常に拘束的である必要があった。しかし本研究では、往来の研究のように無限視野を持つ経済主体を仮定しているが、借入制約が拘束でない状況においてもバブルが発生することを明らかにした。無限期間視野を持つ主体を仮定した場合、どのような状況でバブルが発生するのかはまだ明らかにされていない点が多い中、小国開放経済を仮定することによて、借入制約に注視せずにバブルを発生させ、その影響を分析できるようになった事を明らかにしたことは意義があると思われる
本研究では、金融市場が統合すると複数の資産に同時にバブルが発生することを明らかにした。グローバルな金融市場に自由アクセスできるようになった小国は、金融市場から借入を行い、それが国内の複数の資産のバブルを買い支えることによってバブルが発生するようになる。さらに往来のバブルの研究と違って、本研究におけるバブルは、発散経路上で発生することになる。発散経路上では、資産は永続的に成長するという特徴を持っており、バブルの一番の特徴である、資産価格の急上昇という側面を捉えることに成功していると思われる。
往来のバブルの研究では、無限期間の視野を持つ経済主体を仮定した場合、バブルが発生するためには、借入制約が常に拘束的である必要があった。しかし本研究では、往来の研究のように無限視野を持つ経済主体を仮定しているが、借入制約が拘束でない状況においてもバブルが発生することを明らかにした。無限期間視野を持つ主体を仮定した場合、どのような状況でバブルが発生するのかはまだ明らかにされていない点が多い中、小国開放経済を仮定することによて、借入制約に注視せずにバブルを発生させ、その影響を分析できるようになった事を明らかにしたことは意義があると思われる
- ID情報
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- 課題番号 : 21K20153
- 体系的課題番号 : JP21K20153