2018年6月
カーボンナノチューブワイヤの負水素イオンビーム用プロファイルモニタへの適用
Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet)
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- 開始ページ
- 5022
- 終了ページ
- 5025
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18429/JACow-IPAC2018-FRXGBD3
J-PARCリニアックでは、ビーム輸送中のビームロスを抑制し、安定で効率的な運転を実施するため、ワイヤを用いたプロファイルモニタ(WSM)を用いて、4極電磁石の調整を実施している。WSMはビームの進行方向に対し、鉛直な方向のプロファイルを測定する計測器であり、ビームが直接衝突するワイヤにはタングステンなどの金属や、ポリアクリロニトリルから生成した炭素繊維線を使用している。ビーム出力増強に伴い、ワイヤの熱的負荷も増加する。そこで、無酸素状態で3000$^{\circ}$Cまで耐え、鋼鉄の100倍以上の引張強度を持ち、銅, 銀より高い電気伝導度を有するカーボンナノチューブ(CNT)に注目し、ビーム照射試験を実施した。直径50, 100$\mu$mのCNT製ワイヤに、3MeVの負水素イオンビーム, ビーム電流30mA,パルス幅100$\mu$s, 1Hzで照射したところ、炭素繊維線と同等以上の信号電流が得られた。さらに、幅200$\mu$s, 25Hzという100倍のビーム量でも4分間のビーム照射に耐え、顕微鏡観察でも、顕著なワイヤ損傷は見られなかった。加えて、ワイヤが破断するまで、幅400$\mu$sのビームにおいたところ、破断直前に大量の熱電子が放出される現象を確認した。本発表では、ビーム測定時の信号波形、ワイヤ破断時の兆候について発表する。
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- DOI : 10.18429/JACow-IPAC2018-FRXGBD3