共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

転写共役型相同組換え修復の開始を導く分子メカニズムの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(A)  若手研究(A)

課題番号
17H04713
体系的課題番号
JP17H04713
配分額
(総額)
24,310,000円
(直接経費)
18,700,000円
(間接経費)
5,610,000円

放射線照射によって生じるDNA二本鎖切断(DSB)は細胞の運命を左右する重篤なDNA損傷の一つである。申請者はDSB修復経路選択性の研究を行う中で、G2期細胞ではNHEJが修復の第一経路であり、NHEJが停滞・遅延した場合に、CtIP/MRE11依存的にHRへと移行することを報告してきた(Shibata, EMBO, 2011; Shibata, MolCell, 2014)。一方、他グループの研究から、転写活性領域に生じたDSBはHRにより優先的に修復されることが示されているAymard, NSMB, 2014)。そこで本研究では、転写活性領域に生じたDSBがどのような分子機構を経てHRの開始を導くかを明らかにすることを目的とする。本研究では、転写と共役したHR開始に必要な分子メカニズムの解明を目的とし、申請者がこれまでに発見した転写と連携する新規HR候補因子について、1)DNA損傷部位へのリクルート、2)DNA損傷依存的DNARNAハイブリッドの生成、3)DNA end resectionの過程における分子メカニズムを解析している。これまでの研究により、東京大学・安原崇哲助教との共同研究によって見出された転写共役型HR促進因子であるRAD52/XPGが、G2期細胞における転写共役型DSB修復に関わることを明らかにした(Yasuhara et al.& Shibata, Cell, 2018 *co-corresponding author)。G2期における転写共役型修復を解析する一方で、G1期細胞における役割についても研究の幅を広げ、本研究課題を発展させている。G1期では特にRAP80が転写共役型のDSB修復機構において重要な役割を果たすことを見出しており、現在その分子機構の解析を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H04713
ID情報
  • 課題番号 : 17H04713
  • 体系的課題番号 : JP17H04713