重粒子線治療の遡及的研究に向けたモンテカルロ線量計算システムの開発
第117回日本医学物理学会学術大会
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- 開催年月日
- 2019年4月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 開催地
- 横浜
- 国・地域
- 日本
重粒子線(重粒子線(炭素線)治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量集中性がよく、生物学的効果比が高いなどの優位性を持っている。一方、複合粒子である炭素をビームとして使用するため、核反応によって生成する二次粒子による発がんリスクの評価が要求される。この評価では、二次粒子の輸送を正確に模擬する必要があり、モンテカルロ輸送計算コードを利用したシミュレーションが有効である。そこで、PHITSを中核とした炭素線治療の線量評価システムを構築した。本システムでは、治療計画を記録したDICOMデータを読み込んで自動でPHITSの入力ファイルを作成し、PHITSシミュレーションの実行によって腫瘍および周辺正常組織での線量分布を計算する。PHITSの様々な機能を利用することで、粒子毎の線量寄与や二次粒子の発生場所の特定など、詳細な解析が実施可能である。今後、本システムは放射線医学総合研究所の実際の患者データに対するシミュレーション解析に利用される予定である。