講演・口頭発表等

PHITSと断面積データを用いた加速器中性子源によるRI生成量の解析

日本原子力学会2021年春の年会
  • 橋本 慎太郎
  • ,
  • 永井 泰樹*
  • ,
  • 湊 太志
  • ,
  • 塚田 和明

開催年月日
2021年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京(online)
国・地域
日本

加速器中性子源を利用したRI製造に関する研究は、医療用RIを安定供給するための重要な課題の一つである。我々は、(d,n)反応の中性子をサンプルに照射して生成されるRIを実験的に測定すると共に、PHITSと断面積データを用いた理論的な評価法を開発した。この様な中性子によるRI生成の実験例は過去に無く、実験と理論の比較は初めての試みとなる。理論値は実験体系をPHITSで模擬して求めた。PHITSによりサンプル中の粒子の減衰等を考慮することができる。また、Be(d,n)反応と放射化にそれぞれ実験値と評価済み核データ(JENDL-4.0/HE)を利用することで結果の信頼性向上を図った。実験では、$^{68}$ZnOサンプル中に、中性子反応による$^{67,64}$Cuだけでなく、陽子反応による$^{67,66}$Gaも検出された。PHITSと比較すると理論値が実験値を最大3倍の範囲で再現しており、十分な予言力があることがわかった。また、サンプルをエチレンブロックで囲んだ時に$^{67,66}$Ga等の生成量が数10倍増加するという実験結果が得られたが、理論的にこの効果を再現することはできなかった。ブロックからの散乱線に関する核反応の再現性が原因だと考えられるため、その検討結果も報告する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5070515