論文

査読有り
2022年7月

中間エネルギーの重イオン研究のための輸送計算モデル

Progress in Particle and Nuclear Physics
  • Walter H.*
  • Colonna M.*
  • Cozma D.*
  • Danielewicz P.*
  • Ko C. M.*
  • Kumar R.*
  • 小野 章*
  • Tsang M. Y. B*
  • Xu J.*
  • Zhang Y.-X.*
  • Feng Z.-Q.*
  • Gaitanos T.*
  • Le F\`evre A.*
  • 池野 なつ美*
  • Kim Y.*
  • Mallik S.*
  • Napolitani P.*
  • Oliinychenko D.*
  • 小川 達彦
  • 橋本 慎太郎
  • 佐藤 達彦
  • 他31名*
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125
開始ページ
103962\_1
終了ページ
103962\_90
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1016/j.ppnp.2022.103962

原子核-原子核衝突や原子核の状態方程式の研究において、反応計算モデルは重要なツールとなり、世界中で開発が進んでいる。本論文は、原子力機構のJQMD-2.0を含め、現在開発中の複数のコード開発者の協力により、これらコードを同じ条件で比較することで共通点や差異を明らかにしたプロジェクトTransport Model Evaluation Project (TMEP)を総括したものである。参加したコードはBoltzmann-Uehling-Uhlenbeck(BUU)法に基づく13のコードと、Quantum Molecular Dynamics (QMD)法に基づく12のコードであった。プロジェクトでは、Au原子核同士を衝突させてその終状態を観測する現実的な計算や、一辺が640nmの箱に核子を詰めて時間発展させる仮想的な計算を行った。その結果、BUU法コードとQMD法コードは計算原理が異なるため、計算の設定に関係なく系統的な差異が生じることが明らかになった。その一方で、同じ方法を採用するコード間の比較では、時間発展を細かく計算することでコード間の差は埋まっていき、一定の収束値を持つことが示された。この結果は今後開発される同分野のコードのベンチマークデータとして有用なものであるだけでなく、原子核基礎物理学の実験や理論研究の標準的な指針としても役に立つことが期待される。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1016/j.ppnp.2022.103962
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5072709
ID情報
  • DOI : 10.1016/j.ppnp.2022.103962
  • ISSN : 0146-6410

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