MISC

2010年3月

【最新 うつ病のすべて】診断・臨床 うつ病概念の変遷

医学のあゆみ
  • 中川 誠秀
  • ,
  • 広瀬 徹也

別冊
最新うつ病のすべて
開始ページ
11
終了ページ
15
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
医歯薬出版(株)

近年、マスメディアで盛んに"うつ病"を取り上げているが、いまだメランコリー型うつ病についての報道であることが多い。ところが、実際の臨床現場ではそのような典型的なうつ病がすべてでないことが、もはや精神科以外の科においても周知のこととなっているようである。極端な例では境界性人格障害のうつ状態やアルコール依存症のうつ状態でも、入院依頼の紹介状や診断書に"うつ病"あるいは"うつ状態"と書かれていることがまれではない。うつ病の概念は病前性格であるメランコリー親和型や執着性格(「サイドメモ1、2」参照)との関連で論じられることが盛んな時代を経て、現在はそのスペクトラムが拡大し、百花繚乱ともいえるほどの多様な概念が存在している。とくに若年層から壮年ではメランコリー親和型は減少し、反対に他者配慮に乏しく、どちらかというと自己中心的、秩序や規則にとらわれず自由奔放、自責的ではなく他責的といった性格をもつうつ病が少なくない。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0039-2359
  • 医中誌Web ID : 2011321896

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