共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

置換規則力学系の数論への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K03528
体系的課題番号
JP20K03528
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

金子元とともに Markoff-Lagrange スペクトルの乗法的な類似をPisot 数を底とする場合に研究した。この研究は特殊な記号力学系上に定まる関数の最適化問題に翻訳され、とくに禁止語が徐々に減り、初めて非周期無限語が生ずるような臨界点の研究が重要となる。この研究は数論の難問に属するが、設定が適切な場合には比較的扱いの容易なフルシフトに対応する。この数論と記号力学系の間をつなぐ公式が非常に重要な役割を果たす。
関連してスツルム語とバランス語が臨界点の記述に現れる。スツルム語は無理回転のコードとして現れる無限語で、複雑度最小の非周期無限語としても特徴づけられる。バランス語はスツルム語に現れる有限語であり、現れる文字の頻度変化最小の語とも定義できる。この間の研究により Markoff-Lagrange スペクトルの研究を通じてバランス語の数え上げと数論の関係も明らかになってきた。バランス語のパラメータの存在する区間を指定したときの長さの増大に関する漸近挙動もわかり、さらに Riemann 予想とのつながりも見えてきた。スツルム語は語の組み合わせ論で基本的であるが、このような数論的な文脈での研究は少ない。
B.Loridant, J.Thuswaldner との共同で連続整数digit でできるタイルの位相構造、とくに切断点の存在に関する特徴付けを行った。この研究は境界を記述するオートマトンの計算に帰着するが、位相的な考察が重要である。さらに永井、J.Y.Lee との共同研究では、自己相似タイル張りのパターンにたいして等差的な構造がいかに現れるかを組織的に研究した。自己相似タイル張りは置換規則力学系の高次元化の一つであり数論への応用が期待される。
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リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03528
ID情報
  • 課題番号 : 20K03528
  • 体系的課題番号 : JP20K03528